メルカリ上場。赤字でも時価総額は7,000億円超
昨今の中では最も大型のIPOとも言われるメルカリがついに東証へ上場することになりましたね。開示資料等を見てみましたが、なかなか夢のある内容となっています。
気になるのはやっぱり決算情報。まず売上高はどの程度なのかをわくわくしていましたが、2017年6月期で200億円程度。営業利益はなんと赤字です。まだまだスタートアップ期の企業であり、今後も成長のために追加的な投資を行っていく段階の企業だとは思いますが、二期連続で営業赤字となっている状況です。
もちろん米国ではそのようなタイミングで上場する企業も多いと思いますし、それ自体はなんらかまわないのですが、そのメルカリの評価額である時価総額が約7,000億円を超えるというから驚きです。
将来の期待が反映された株価ということですが、赤字の企業(何度もですが、スタートアップなので正直この点はあまり重要ではないですが)で、売上高の20倍の株価というのはさすがにちょっと異常な水準ではないかと思ってしまいます。
もちろん、IPOをゴールとするような経営陣の方々ではなく、日本のみならず世界を狙っていく挑戦的かつ先進的な企業だとは思いますが、上場後に株価がダダ下がり、という状況はなんだか悲しいので、避けてほしいと思ってしまいます。
役員・従業員も億万長者多数
ただ、個人的に嬉しいのは、役員のみならず、設立初期からいる従業員の方々もかなりのキャピタルゲインをえら得るようで、役員を含めてその数は30名を超えます。ジャパニーズドリームを実現したということで、やっぱり胸が熱くなる話ですね。
昨年IPOを達成したWantedlyは、上場前後で色々と叩かれることもありましたが、そのうちの一つが社長以外がほぼキャピタルゲインを得られていないという資本政策の点でした。
もちろん、それは一企業の個人的な話なので、全くの自由で決められることですが、やっぱり少し違和感を感じざるを得ません。スタートアップの企業に勇気を持って飛び込んできてくれた従業員に対しては、ストックオプションなりでそのリスクに見合った報酬が受けられて、上場をしたときには多少なりともその恩恵を受けられて、(億万長者までいかなくとも)経済的に恵まれる、少なくとも大手の企業で通常の仕事をこなしていただけでは得られなかったであろう水準の報酬がないと、従業員としても夢がないですよね。
と、お話がそれてしまいました。もちろんメルカリとWantedlyではそもそもの規模も違い、時価総額ベースでも20倍以上差がある企業ですので、 その差ももちろんあるため、メルカリと比較して云々というのはいえないかもしれませんが。