ガンホーの2017年度売上高・収益状況。投資先が見つからず右肩下がり。

ガンホー 2017年売上高・収益水準

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの2017年12月期の決算が発表されました。初めてこの会社の決算をきちんと目を通してみました。これまではパズドラ一本足打法で成長してきた典型的なベンチャー企業という印象でしたので、楽しみです。

 

2017年12月期の決算内容のサマリーとしては、売上高は前期は1,112億円から923億円と17%の収益減少、営業利益ベースでも460億円から343億円と25%近く減少をしています。グリーやDeNAなどソーシャルゲームの会社にもれなく、ガンホーも2017年度は厳しい年だったようです。一方で、CFは安定していて、営業CFから多額のキャッシュが発生して、投資・財務CFにまわされており、また自己資本比率も70%から76%へ上昇する等、財務基盤としてはより一層強固なものとなっています。但し、利益水準に比して、投資に回した金額は決して大きなものではなく、どこに投資するべきかを決めかねている状況かもしれません(800億円の資産のうち、560億円がキャッシュ)。

ソーシャルゲームのタイトル別の収益内訳は開示されていませんが、恐らく9割近くはパズドラ(シリーズ)の収益なのでしょう。

 

事業内容

 

事業内容としてはソーシャルゲーム・オンラインゲームの開発ですが、当社の成長ドライバーとなったパズドラとオンラインRPGのラグナロクオンラインが有名ですね。

 

会社情報

 

取締役の構成は、代表取締役である森下社長、ベンチャー界では有名な孫泰蔵(いわずもがなですがソフトバンクの孫正義の弟)をはじめ実力のある方々が経営を主導していますね。CFOである坂井氏は、元々は銀行員から会計ソフトの会社を自ら立ち上げてその後上場直前の2004年にガンホーに入社をしています。

 

森下社長のことは深く知りませんでしたが、元々はコンビで漫才師をしていたようで、ユニークな方(かつ苦労人)なんでしょうね、あまり表に出てメディア露出がある肩ではないですが、面白そうな方ですね。会社HPの社長メッセージは端的なメッセージのみです。

 

教師から「お前のような奴は漫才師か車のセールスマンくらいしかなれない」と言われ引越の手伝い、バーテンダー、レンタルビデオ店員、工事現場の現場監督等のアルバイトで生計をたてながらコンビで漫才師を続けるも相方の都合により6年で解散。 -Wikipedia-

 

平均年収は640万円、平均年齢は37歳、従業員は約900人。近年は外資系のエンジニアの給与が高騰している中では見劣りしますが、十分な水準の報酬なのではないでしょうか。

 

株価・市場評価

 

2015年以降で300円台まで下げて、その後の株価はここ3年間はずっと横ばいで2017年にかけては徐々にではありますが、切り上げてきているように見えます。パズドラ以外での成長が見えないと、ソーシャルゲーム市場全体のトレンドにひっぱられる動きが続くのではないでしょうか。その意味では、当社自身は、ソーシャルゲームの開発のみ行うエンジニアが中心となるため、当社の次の柱となりうる事業への投資やM&Aなどがキーですね。

 

パズドラ一本の会社で、自分が実際にパズドラをやっていない身としては今後の成長性についてまったく自信をもって語ることは出来ません。足元の収益は市場全体のトレンドに合わせて、右肩下がりで推移をしていますが、パズドラからあがる収益が圧倒的なので、すぐに急激に財務内容が悪化するということはないのでしょう。

 

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